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【成立学園】早慶以上9大学含む、14の海外大学への合格実績!躍進のヒントとは?

2023.05.24

成立学園中学・高等学校 公式サイトより

成立学園高等学校(東京都北区東十条:以下、成立学園)は2021年度からGIPの海外大学指定校推薦制度を導入しています。導入一期生となる2022年度の「海外大学の合格実績」は、最終的に14大学に達しました。そのうち、THEランキングTimes Higher Educationで早慶以上レベルの大学は9大学にも上ります。これは昨年の海外大学合格実績3名から大きな躍進と言えます。

この記事では、この成果を生み出す上で、具体的にどのようなアクションを行ったのか、成功のヒントは何なのか、を紹介します。


成立学園中学・高等学校…東京都北区東十条にある私立中学校・高等学校。「見える学力」と「見えない学力」を育て、生涯学び続ける力を養うための教育を展開しています。自分が目指す将来に合わせた最適な学びを実現できるよう「2コース+5クラス制」を取っており、そのうち「探究クラス」では海外進学にも力を入れています。


2022年度海外大学合格実績

▲実績の一つ、Queen Mary University of London

まず、2022年度の成立学園の合格実績を見てみましょう。2022年度の卒業生は、以下の14大学に合格しました。()内は2023年度THE世界大学ランキング順位です。

・Queen Mary University of London (124)
・University of Nottingham (130)
・The University Of Western Australia (131)
・Newcastle University (139)
・University of East Anglia (201–250)
・University of Utah (251–300)
・George Mason University (301–350)
・City,University of London (351–400)
・Florida International University (501–600)
・HELP University (1201-)
・Oregon State University (1201-)
・Drew University (1201-)
・Lane Community College (1201-)
・College of Central Florida (1201-)

なお、慶應義塾大学の順位は 801–1000、早稲田大学の順位は1001–1200です。国内も含めた全体の進学実績情報はこちら(成立学園公式サイト)。

成果に直結した4つのアクション

▲海外進学セミナーの様子

これらの大学への合格は、成立学園が実施したいくつかの取り組みによって実現しました。成果につながった主な施策には、以下の4つが挙げられます。

1.英語力、特にIELTSの強化

▲IELTSに精通したネイティブ講師を派遣(授業イメージ)

まず1つ目は、英語力の強化です。

探究クラスには、そもそも週12時間の英語授業があります。2022年度はそれに加えてIELTSの集中講義を追加実施することにより、海外大学への進学ルートが開かれ、国内大学のAO入試に活かすこともできました。英語試験と言えばTOEICや英検が有名ですが、海外大学の入学条件である語学力証明には、IELTS(もしくはTOEFL)が使われることが一般的です。IELTSは、国際的に認められた教育や移住のための英語能力判定試験で、大学、学校、雇用主、移民局、専門機関など世界 140カ国 11,000 以上の機関で認定されています。

多くの学校では英語の試験対策は、英語講師、または校内のネイティブ講師が行う事が多いかと思いますが、一般的にIELTSやTOEFLのような英語試験の指導には、各試験の対策ノウハウを保有するネイティブ講師が必要になります。成立学園では、GIPが派遣するIELTSに精通した講師によるTOEFL対策を行うことで、海外進学の条件を整えることができました。もちろん取得したIELTSスコアは、国内大学受験にも使用できます。

2.モチベーションを高めるイベントで海外に興味を持つ生徒が2倍に

2つ目は、海外進学のモチベーションを啓発するために、校内イベントを実施したことです。これにより、海外に興味を持つ生徒がイベント前の2倍に増加しました。

海外進学者を増やすには、そもそも子どもたちの「モチベーション」を上げる必要があります。しかし、最初から海外進学を希望する学生は多くありません。子どもたちは自分自身の進路・キャリアイメージを、身近にいる大人を元に形成します。子どもたちにとって最も身近な環境は、家庭と学校です。そこでは海外進学の情報に触れることもなく、熱量をもって海外進学について語る大人もいません。したがって、子どもたちは海外進学のイメージも持ちづらく、モチベーションが生まれにくい環境にあります。

そんな子どもたちの留学熱に火をつけることを目的に作られたのが、GIPのモチベーションプログラムです。セミナーは全部で28種類あり、その中から現状に合わせて最適な5つのセミナーを組合せてモチベーションプログラムを構成します。

成立学園では、海外留学経験がありグローバルに活躍する先輩を講師として学校に招き、パネルディスカッションや、講師と生徒との少人数グループでの質疑応答など行いました。これにより、留学にあまり興味がなかった生徒も、大きく留学に関心を寄せる結果となりました。

▲イベント後のアンケート結果。海外留学への興味で5段階中の5を選択した生徒が24人から52人へ倍増。満足度も約96%と高いスコアを示した

3.海外指定校推薦制度の導入

3つ目は、海外指定校推薦制度の導入です。海外指定校推薦制度とは、従来の国内大学指定校推薦制度のように、在学中に一定の英語力やGPAを取得することで、受験することなく、提携する海外の大学へ進学できる制度です。日本ではまだまだ情報や実績が少なく、なにかと不安が多い海外大学進学ですが、この制度を設けることにより、生徒にとって身近で挑戦しやすいものとなります。この制度の導入後、成立学園の海外進学を希望する生徒の数は、22名から83名まで増加しました。

4.プロの留学カウンセラーによるカウンセリング

4つ目は、プロの留学カウンセラーによるカウンセリングの実施です。個別相談によって、イベントだけでは解消できなかった留学への疑問や不安を解決でき、さらに海外大学の魅力や留学制度についての知識を深めることができました。

海外進学者増、成功のヒント

個別の施策とは別に、より学校全体の制度として、海外進学希望者が増加した成功のヒントについても考察してみると、次の2つが浮かんできます。

コース設定は2年次から。1年かけて動機形成を

まず、コース設定を入学時ではなく、2年次から行っていることです。高校入学時点で海外大学に進学を決めている生徒は多くありません。むしろその時点で進学先を海外に絞ることは、生徒や保護者にとって敬遠されることにつながりかねません。実際、海外進学を果たした生徒の中には、入学後に短期の高校留学や海外研修、家族での海外旅行などがきっかけで海外大学を目指すようになったケースが多く見られます。

そのため、1年次は通常のコースと同じカリキュラムを提供し、2年生からコース編成を行うことが推奨されます。

そして1年次のうちに国際イベントや短期の海外研修などを通じて、海外大学についての理解を深める機会を作ることで、生徒たちは海外大学への動機を醸成し、次第にグローバルコースへの参加意欲が高まっています。

挑戦の可能性が広がるコース名

次に、コース名を留学に特化しすぎないことも重要です。グローバル・英語・探究といった抽象度の高い表現を使う方が、生徒や保護者の興味を引きつける傾向があります。これは一つ目のポイント(1年次で進路を限定しない)とも関連しています。

成立学園の探究クラスは、国内の難関大学受験にも対応しながら、海外大学への挑戦を両立できるコースとなっています。事実、海外大学への合格はもちろんのこと、磨いた英語力を活用して上智大学などの難関校への進学も増えています。

まとめ

成立学園が海外大学の合格数を大幅に伸ばしたきっかけには、英語力の集中講義やモチベーション維持のためのイベント、海外指定校推薦制度の導入、専門家による留学カウンセリングなどの取り組みがありました。また、2年次からのコース設定や最適なコース名なども、学校側が取り組める成功のヒントがあります。

GIPは引き続き、海外進学のサポートを続け、成立学園が創立100周年を迎える2025年には、毎年50名の海外大学合格実績を出すことを目標に、伴走していきます。

海外大学指定校推薦制度について、気になる方はぜひ一度、資料をダウンロード、もしくは直接お問合せください。

本記事で紹介した取り組みについて詳しい記事はこちらもご覧ください。

モチベーションプログラムについて「海外進学熱に火をつける!モチベーションプログラムとは?

海外指定校推薦制度について「生徒に多様な選択肢を「海外大学推薦制度」に迫る